STAFF OUTFIT

シワに寄る陰影

2021.03.29
カジュアルシーンとビジネスシーンの線引きがあいまいになってきている昨今では、今までのような明確な”スーツ”を着なくて良い職場環境が増えています。もちろん職種にもよるとは思いますが、「仕事はスーツじゃないけどそれなりにきちんと見えた方が良い」や「仕事にも使え、普段着としてもオシャレ」こんなアイテムが今の時流に合っているのではないでしょうか?
今回はそんな声を鑑みドレッシーなカジュアルシャツのご案内です。
男性ファッションの重要なカテゴリーの一つ、ワークスタイル。とかく泥臭く男らしいイメージですが、今回我々ワイルドライフテーラーはドレスとワークの垣根を越えて男らしくありつつモダンなドレスシャツを仕立てました。高級シャツ生地で名高いアルビニ社などの上質で滑らかな生地を用い、ドレッシーでワーキーなアイテムです。
番手とは糸の太さを指す単位であり、数字が大きければ糸が細く、数字が小さければ糸が太くなります。
生地に耐久性の意味合いから、生地に厚さを求めると~60番手くらいの糸の生地が多く、買い替えする事が当たり前で長持ちさせる気がない貴族のような生地なら200番手なんてのもあったりします。そこまで高番手な生地は、あまりに繊細すぎてアイロンをかけてもかけてもシワが取れなかったり、摩擦や引っ張りに弱かったりと扱いに困ります。適度な耐久性と着心地のバランスを取り且つ上質な生地を求めるなら70~100番手がうってつけと言えます。
そんな80前後の高番手な生地をジーンズのステッチより太い8番手糸で縫い上げています(通常のジーンズなら30番手くらい)。繊細な生地をこのような太い糸で縫い上げる事によって縫い目付近に負荷がかかり独特なシワが寄ります。これはワークシャツに使うような生地ではこうはいきません。シワが寄らず立派なワークシャツの出来上がりとなるのですが、このあえて入れたシワこそが洗いっぱなしのような生地の立体感を生み、芸術のような陰影を作り出します。
ディテールはワークシャツならではの三本針による縫製ですが体側部分のステッチなのでぱっと見で悪目立ちしません。襟はというと上のピースをやや小ぶりに作ることで襟先のハネを演出し無造作感をアップ。また首周りの寸法はだらり無く見えない程度にやや緩く設定することでナチュラルさが感じられるようにこだわりました。またリラックス感のあるシルエットは現代的に見え、カジュアルな1枚着としても重宝します。
緩めのスラックスにこのシャツ一枚でも絵になります。
この出来の良さからスタッフウケも良いこのシャツを是非一度手にとってご覧ください。

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